設立趣意書

 表千家千葉県青年部設立趣意書


 日本に茶の湯が根づいて既に五百年という長い年月が過ぎ、私たちの生活の隅々にその文化は息づいてきました。その一方で、世界は二十一世紀を迎え、科学技術の発展を基礎にした新しい時代が始まろうとしています。情報技術、生命科学など、私たちの生活を一変させるような進歩が毎日の話題に上り、さらに急速な情報化の進展が世界のグローバル化を飛躍的に進めています。
 このような時代だからこそ、一層、私たちは心の豊かさや安らぎを大切にし、古人の育んできた伝統文化を引き継ぎながら、新しい世紀を本当に実りある世紀にしていく必要があるのではないでしょうか。

 今、それを担い、新しい世紀に伝えていく原動力となるのは、やはり若い力の活躍だと考えます。新しい時代の感性を携え、同時に伝統文化の心をも修めた若い世代が大きく育っていくことこそ、最も求められていることだと思います。幸いにして私たちは伝統ある表千家茶道に出会い、その豊かな文化を学ぶ機会に浴しています。これを社中内の楽しみにとどめることなく、多くの仲間や地域社会の方々と共有していくことで、さらにその実りを豊かにしていけるものと確信します。

 表千家同門会千葉県支部は、この新世紀の冒頭に創立三十五周年を迎えます。私たちは、この記念すべき年に、若い力が集い、ともに学び合い、広く交流していくためのネットワークとして青年部を設立したいと考えております。この青年部が、諸先輩のご指導を得ながら、表千家茶道の伝統を新しい時代に受け継いでいく一翼になれればと願うものであります。
 ここに以上のとおり設立の趣意を申し述べ、あわせて表千家同門会本部並びに支部の諸先生、さらには伝統文化に携わる多くの皆様のご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。

平成十三年九月十九日

表千家千葉県青年部設立世話人 小林秀樹(代表) 
竹尾よつ子 
永澤則子 
高橋弘子